前年比1.0ポイント改善
建設業財務統計表
2013月1月16日掲載
東日本建設保証は、例年この時期にまと
めている「建設業財務統計表」(調査決算
期11年4月〜12年3月)がまとまったこと
から発表した。
この調査は、中小建設企業の経営活動の
実態を係数によって把握し、これに基づい
て業種別、売上高別、地区別、都道府県別
の経営指標を求め、中小建設企業の経営合
理化の参考に資することを目的としてい
る。
その中で山形県を見てみると、県内企業
の「総資本経常利益率」はここ数年上昇傾
向が続き、2003年以来のプラスとなった。
前年比約1.0ポイント改善しており、厳し
い環境の中で経費削減に取り組み、売上高
一般管理費率の良化に努めた結果、08年を
底に3年続けて収益性が改善している。し
かし、売上高1億円未満の区分で「総資本
経常利益率」は、マイナス1.4%と前年
に比べ改善してきているものの、依然とし
て厳しい状況にあることに変わりは無い。
一方、「自己資本比率」は比較的良好な
値で推移、東北6県各平均を上回っている
ものの、3年連続で前年度より悪化してい
る。経営の安定性を示す「借入金依存度」
は5年連続で前年度より悪化し、東北6県平
均を下回っている。つまり、借金依存度が
上昇傾向にあると言えるわけで、今後も山
形県内の総工事量が望めない現況を考えれ
ば、県内企業の経営環境は、資金繰りも含
めてさらに厳しくなっていく。
また、調査した東日本23都県の中で山形
県の位置付けを見てみると、県内企業の生
産性は依然として低調で、「1人当売上
高」は19番目、「1人当付加価値」は18番
目となっている。