井上貴詞事務所と羽田設計JVが選出
第45回東北建築賞
2025月3月31日掲載
日本建築学会東北支部は、第45回東北建
築賞に山形県から既存の歴史的建造物をホ
テルにリノベーションした「NIPPONIA白
鷹 源内邸」と寒河江市の屋内型児童遊具
施設「さくらんぼこどもキャンパス CLAA
PIN SAGAE」の2施設が選ばれた。
源内邸は、井上貴詞建築設計事務所(山
形市)が設計・監理を担当、那須建設が施
工した。施設は、白鷹町大字浅立地内の約
8,000m2の敷地に明治中期から大正初期
頃に建てられた複数の建物で構成され、主
屋、書斎、土蔵4棟など歴史的建造物を含
む計7棟を改修し、8つの客室とダイニン
グに用途を変更し宿泊施設としてリニュー
アルした。歴史的建造物と地域固有の農村
景観を踏まえた独自の滞在空間の創造が高
く評価された。
さくらんぼこどもキャンパスは、羽田設
計事務所・NIIZEKI STUDIO(東京都)特
定設計業務共同体が設計・監理を担当、
高木・シェルターJVが施工した。施設は、
屋内型児童遊具施設で、特異な平面形状に
デザインされニッチな空間を生み出してお
り、遊具となるツリーを中心に広がる大き
なヴォリュームと、中心に向かってすり鉢
状となる起伏は、明るく開放的で施設全体
が遊べる場として機能している。また、3
次元で変化する屋根形状など、BIMを前提
とした建築生産プロセス全体を通した連携
を実現し、設計のフィードバックと事業全
体のコストマネージメントにも積極的に取
り組んだ点が評価された。
今回は25点の応募があり、作品賞に山形
県内2作品のほか「会津柳津駅舎情報発信
交流施設」と「認定こども園 らみどり」
の4作品が選ばれており、6月21日東北学
院⼤学五橋キャンパスで表彰式並
びに受賞記念講演会が開催される。
▲NIPPONIA白鷹 源内邸
▲さくらんぼこどもキャンパス CLAAPIN SAGAE