利益率改善もマイナスレベル
建設業財務統計表まとまる
2012月1月19日掲載
東日本建設保証は、例年この時期にまと
めている「建設業財務統計表」(調査決算
期10年4月〜11年3月)がまとまったこと
から発表した。
この調査は、中小建設企業の経営活動の
実態を係数によって把握し、これに基づい
て業種別、売上高別、地区別、都道府県別
の経営指標を求め、中小建設企業の経営合
理化の参考に資することを目的としてい
る。
その中で山形県を見てみると、県内企業
の「総資本経常利益率」が依然としてマイ
ナス(赤字)ではあるものの、前年比約1.
5ポイント改善しており、厳しい環境の中
で経費削減に取り組み、売上高一般管理費
率の良化に努めた結果、2年続けて収益性
の改善に繋がっている。しかし、売上高1
億円未満の区分で「総資本経常利益率
」は、マイナス3.1%と前年に比べ改善し
てきているものの、依然として厳しい状況
にあることに変わりは無い。
一方、「自己資本比率」は比較的良好な
値ではあるが、前年度に続いて下降傾向に
あり、30%を割り込んでいる。つまり、借
金依存度が上昇傾向にあると言えるわけ
で、今後も山形県内の総工事量が望めない
現況を考えれば、県内企業の経営環境は、
資金繰りも含めてさらに厳しくなってい
く。
また、調査した東日本23都県の中で山形
県の位置付けを見てみると、県内企業の生
産性は依然として低調で、「1人当売上
高」は下位から2番目、「1人当付加価値」
は下から3番目となっている。