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地域貢献に除雪、消防団活動等追加

第3回公共事業評議委員会 低入札対策も強化へ

2010月2月24日掲載

 平成21年度第3回の山形県公共調達評議
委員会が2月24日、県庁1001会議室で開
かれ、22年度に向けた入札・契約制度の改
善項目について話し合われた。
 過度な低入札に対する抑止策の強化で
は、建設工事関連業務委託において、低入
札による失格を繰り返す業者を、失格の回
数に応じて「非指名」扱いとする期間を設
け、指名業者選定時に選定対象から除外す
る新たな対策が示された。非指名となった
場合、下請け受注は可能となるが、ほかの
場合は指名停止扱いと同様、一般競争入札
では参加資格なし、指名競争入札では指名
不可、随意契約も不可となる。案の内容を
詳しく見てみると、年度の上半期または下
半期に区切って、調査基準価格を下回る入
札を行い、調査の結果、失格となった業者
をリスト管理し、各期末に、それ以前1年
間の回数をカウントし、2回以上失格とな
った業者を非指名とする。始期につい

ては、事務処理期間を勘案して、各期末か
ら起算して3カ月後(1月、7月)から、1
回につき1カ月の非指名とする。ただし、
前回カウントし、すでに一度非指名措置の
基礎となった失格について、再度非指名措
置の基礎とすることはしない(1回の失格
について、2度科すことはしない)。こう
することで、各期1回まで、かつ年間1回
までの失格であれば、非指名は受けないこ
とになる。
 永沢委員からは「低入札調査価格制度の
対象となっている7,000,000円以上の案
件だけでなく、それ以下のものも対象にで
きないか。また、非指名の始まる時期も1
月からとすると、あまり発注が無い時期な
だけに、効果が薄いのではないかと感じ
る。事務処理に期間を要するとのことだ
が、もう少し早く実施することはできない
か」との要望が出された。
 建設工事における調査基準価格未満で

契約する案件の品質確保対策として、低入
札工事の契約相手側が、過去に成績評定が
低い工事等を行っている場合などに限り、
技術者の追加配置義務を課している現行制
度に加え、全ての低入札工事において、通
常は認められている現場代理人と主任(監
理)技術者の兼務を認めないとした。ただ
し、低入札工事であって、技術者の追加配
置義務も課される場合にあっては、当該追
加配置技術者と現場代理人との兼務は認め
る(主任(監理)技術者と現場代理人の兼
務は不可。最低2人だが、兼務の場合は技
術要件あり)。
 升川委員は「方向性としては、大変良い
ことだと感じる。ただ、資格要件無しとな
っている現場代理人について、実務上のこ
とを考えると、資格要件ありとした方が良
いのではないか」と意見が出された。これ
に対し、県側からは「業界の実情を踏ま
え、今後、検討していきたい」と答えた


 この過度な低価格入札に対する抑止策の
強化2点については、周知期間を考慮し、5
月から導入される見通し。
 総合評価落札方式(※12月末現在の実施
状況は2月19日付記事参照)の拡充につい
ては、設計金額40,000,000円以上の工事
については原則として全て(緊急を要する
災害復旧工事は除く)、10,000,000円を
超え、40,000,000円未満の工事では、そ
の5割を目標として実施していくとした。
また、施工実績の評価の充実として、企業
の評価対象期間を10年間から15年間に改
正、配置予定技術者の施工経験の評価にお
いても、経験と認める従事役職に、現行の
主任技術者または監理技術者に加え、現場
代理人を追加する。簡易T型及びU型で必
須となっている地域貢献活動の評価充実で
は、災害協定に基づく活動実績に、現行の
山形県との災害協定に基づく活動実績に

加え、県内市町村との災害協定に基づく活
動実績を追加。活動実績がない場合も、協
定締結を評価対象とする(評価点は中間点
)。さらに、除雪弱者宅や公共施設の除雪
ボランティア活動実績、消防団協力事業所
の認定も評価項目に追加する。除雪ボラン
ティアの場合は、地域の社会福祉協議会や
自治体等からの客観的な活動実績が証明で
きることが必要なる見込み。
 坂本委員からは「項目が追加されるのは
良いことだと思うが、例えば、全ての項目
に該当する企業は、どのくらい加点される
のか」との意見が出された。県側からは「
地域貢献活動は、現在は2点満点で運用し
ている。当面は、今回追加しようとしてい
る項目も含め、上限2点の範囲内で運用し
ていきたいと考えているが、全体のバラ

ンスを考慮して、配点も検討していきたい
」と述べた。
また、現行は発注者側が事前に行っている
技術資料の審査を、施工実績を評価項目と
している簡易U型を中心として、あらかじ
め入札参加者に自己評価として申告しても
らい、開札後、落札予候補者の審査順が決
まった後に、自己評価点を上限値として審
査をし、第1位者を決定する事後審査方式
の導入も検討していく。建設工事関連業務
委託における総合評価落札方式の導入につ
いても、引き続き検討していく。
 昨年8月以降の工事を対象に試行してき
た予定価格の事後公表については、さらな
る検証を行っていく必要があるとし、22年
度も引き続き試行を継続していく方針が示
された。